用語の解説

本サイトで表示しているハザード情報の用語について簡単に説明します。

正確な表現よりもわかりやすさを重視して作成しています。詳しい解説は参考リンクをご覧ください。

洪水浸水想定区域(想定最大規模)

洪水_床上浸水のイメージイラスト

洪水浸水想定区域とは、大雨が降って川があふれたときに、水がどの地域まで届くか、そしてどのくらいの深さまで水に浸かるかを予測した区域のことです。

洪水浸水想定区域(想定最大規模)
河川が氾濫した際に浸水が想定される区域と水深(想定し得る最大規模の降雨(計画規模を上回るもの))

重ねるハザードマップ 解説凡例より

浅い浸水でも、水の流れが速く、歩行による避難が困難になる可能性があります。また、勾配が急な市街地の場合、氾濫流の流れが速くなる傾向にあります[片田ら,土木学会論文集D,2007]。浸水が始まってから浸水の中を自宅外へ避難することは危険なので、できるだけ避けるべきと言えます[片田ら,土木学会論文集D3,2011]。

そのため浸水深が浅い場所でも注意が必要です。

家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、河岸侵食)

「特に、河川の氾濫が想定された区域や深い浸水の可能性がある区域、家屋倒壊の可能性がある場合など、命や身体に直接影響を及ぼす可能性がある場合,浸水前の自宅以外への避難しか選択肢のない住民のみなさんは、早期避難する必要がある(略)」

[片田,ハザードマップで防災まちづくり~命を守る防災への挑戦~,東京法令出版,2020]

家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)

家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)

家屋の流失・倒壊をもたらすような洪水の氾濫流が発生するおそれがある範囲

重ねるハザードマップ 解説凡例より

家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)とは、大雨や洪水が発生したときに、川からあふれ出した水が流れ込み、家が流されたり倒れたりする可能性がある範囲のことです。この区域は、特に強い流れが発生して建物に大きな被害をもたらすおそれがある場所を指しています。

家屋倒壊等氾濫想定区域の予測にはいくつかの仮定が使われています。

  • 標準的な木造家屋を想定して計算されています。
  • 堤防の内側には家が建っていない更地(空き地)の状態で計算が行われています。

したがって、この区域の境界は厳密ではなく、実際に家屋が倒壊や流出する可能性のある範囲の目安として考えてください。

家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)

家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)

家屋の流失・倒壊をもたらすような洪水時の河岸侵食が発生するおそれがある範囲

重ねるハザードマップ 解説凡例より

家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)とは、洪水時に川の岸が侵食され、その結果、家が流されたり倒れたりする可能性がある範囲のことです。大雨や洪水によって川の水が激しく流れ、岸が削られることで、そこに建っている家が危険にさらされることを指します。

個々の家の構造や強度によって、実際の被害範囲は異なる可能性があります。

土砂災害(急傾斜地の崩壊、土石流、地すべり

急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)

急傾斜地の崩壊
傾斜度が三十度以上である土地が崩壊する自然現象

重ねるハザードマップ 解説凡例より

急傾斜地の崩壊とは、急な斜面が突然崩れ落ちる現象のことです。急傾斜地とは、山や丘の斜面などの急な斜面を指し、特に大雨や地震などの影響で地盤が緩んだときに、このような崩壊が発生しやすくなります。

土石流

土石流
山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が一体となって流下する自然現象

重ねるハザードマップ 解説凡例より

土石流とは、「山や谷の土砂が大雨などでくずれ、水とまじってどろどろになり、ものすごい勢いでふもとに向かって流れてく現象」です。主に大雨が原因ですが、雪解け水や地震によっても発生することがあります。土や石が山の斜面や谷を下って一気に押し寄せるため、非常に大きな被害をもたらすことがあります。

土石流は以下のような場所で発生しやすいです[土砂防災防止広報センター]:
– 急な斜面をもつ谷川
– 川岸や上流に崩れやすい土砂が多くある場所
– 谷の出口に大きな石がごろごろしている場所(過去に土石流が起きた可能性がある)

土石流は非常に速いため、流れる方向(下向き)に逃げるのは危険です。すぐに川から離れて、高い場所に避難することが重要です[土砂防災防止広報センター]。

地すべり

地すべり
土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象

重ねるハザードマップ 解説凡例より

地すべりとは、「比較的(わりあい)ゆるい傾きの斜面が、広い範囲にわたって、滑り落ちていく現象」[土砂防災防止広報センター]です。地下水が地盤を緩ませることによって引き起こされ、滑った土地が斜面を移動することで大きな被害をもたらすことがあります。「地震などがきっかけで、突然起きる地すべりもあります。」[土砂防災防止広報センター]

高潮浸水想定区域(想定最大規模)

高潮浸水想定区域

高潮による氾濫が発生した場合に浸水が想定される区域と水深

重ねるハザードマップ 解説凡例より

高潮浸水想定区域とは、台風や強風で海の水が押し寄せてくる高潮によって、どの地域がどのくらい水に浸かるかを予測した区域のことです。

津波浸水想定(想定最大規模)

津波浸水想定
津波が発生した際に浸水が想定される区域と水深

重ねるハザードマップ 解説凡例より

津波浸水想定とは、津波が発生したときに、どの地域がどのくらい水に浸かるかを予測した区域のことです。

津波災害からの避難については以下のような指摘があります。

「津波災害からの避難については、津波発生からの時間との勝負であり、その襲来の前に、津波より高い標高の場所に避難することが重要です。

しかし津波のハザードマップに示される襲来時の最大津波高や沖合への到達時間は、想定された地震に基づいてシミュレーションされた値であり、実際に地域を襲う津波とは大きく異なることが一般的です。

また、津波は海底や海岸の地域の影響を大きく受ける複雑な現象であるため、ハザードマップに示される津波高は、参考程度にとどめ、実際に津波の危険がある場合は、できる限り早く高い所に避難することが重要です。」

[片田,ハザードマップで防災まちづくり~命を守る防災への挑戦~,東京法令出版,2020]

指定緊急避難場所

災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所のことです。土砂災害、洪水、津波、地震などの災害種別ごとに指定されています

詳細は国や自治体が公開する指定緊急避難場所をご確認ください。

指定緊急避難場所

災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所です。
災害発生時は、その災害に対応している指定緊急避難場所へ避難してください。
例えば、大地震が発生し、津波の到達が予想される場合は、津波災害に対応している「指定緊急避難場所」に緊急的に避難します。

「指定緊急避難場所」は以下の災害種別ごとに指定されており、国土地理院のウェブ地図では、災害種別ごとに「指定緊急避難場所」を閲覧することができます。

  • 洪水
  • 崖崩れ、土石流及び地滑り
  • 高潮
  • 地震
  • 津波
  • 大規模な火事
  • 内水氾濫
  • 火山現象
国土交通省国土地理院 指定緊急避難場所データ